レガシィツーリングワゴン(4代目)について 納車編


LEGACY

 納車日を指を折って数える頃になって妻が憤慨しだしたのである。なんとレガシィはハイオク仕様車だというのである。ええっ、そうなの?さっそく調べると、なるほど。DOHCターボ仕様はプレミアムと指定があった。うーむ、ただでさえ燃費の悪いAT車にハイオク。AWD(4WD)に260馬力は通勤・タウンユースにはオーバースペックという気が拙僧もしてきた。妻は売るとまで言い出したのだが、買うに安ければ売るは二束三文である。そこは兎に角、納車を待とうではないかとなだめて、ついにその日はやってきたのである。
 物は妻の勤務先にあった。少し埃を被ったMyレガシィは待ちくたびれたという顔つきであったが早速乗り込む。イグニッションキーをまわすと速やかにエンジンは起き上がった。マツダ純正スポーツマフラーをつけたデミオに比べると静粛性は比べ物にならない。一方、水平対向エンジン独特のビートというのは特に感じられず、この点は肩透かしであった。さて、初のAT車ドライブである。まずは妻の勤務先の工場内を2〜3周ほどテストドライブすることにした。シフトをDに入れてブレーキベダルを離す。すると、車体は思ったよりも速くクリープ現象で前へ出てしまうのである。慌てて左足がクラッチを踏もうとしてブレーキペダルを強く踏み車体は急停車する。いかんいかん、体が完全にMT車に刷り込まれている。それでも工場内を3周程すると体が慣れてきた。冷静にシフトレバーの周りを見ると「ECO」というボタンを目にした。押すとコンソールパネルに「ECO」と緑色のランプが点灯した。どういう仕組みになっているのかはさっぱり分からないが、兎に角、燃費には良いのだろう。当時は原油価格が急激に上昇しており、それはプレミアムガソリンが1Lあたり180円まで跳ね上がることになった程なのだった。
 工場の隣には自動車用品屋が隣接しており、早速そこに向かう。新しい車の購入で心は躍った。まずは小物入れを買おうとしたら妻に止められた。なんと、レガシィのセンタコンソールには小物入れが付いていると言うのである。なるほど、空間の狭いデミオとは一味違うということだ。結局、ごみ箱と芳香剤と初心者ステッカーだけ購入した。なんと、レガシイのボンネットとリアハッチにはマグネット式の初心者マークがつかないのだ。それで改めてステッカー式の初心者マークを購入することになったのである。
 デミオに積まれた荷物をレガシィに詰め換え、いよいよデミオともお別れである。デミオの廃車は当初、この自動車用品屋で行うつもりだった。ここは車検や板金・修理も行う店なのである。しかし、店員は明らかに「面倒だなあ」という態度であり、手数料も2万円と素人考えでも高いと思った。そこで、デミオを購入したマツダの中古ディーラーに電話すると5000円強でやってくれるという。早速、用品屋の依頼はキャンセルした。ただ、ここで一つ問題が生じた。話は簡単で拙僧がレガシィに乗り、妻がデミオに乗ってマツダのディーラーに行けばいいだけのことなのだが、免許半年の妻は自分が一人で運転する事に難色を示したのである。いったい、こんなことで3ナンバーのレガシィを運転できるのかと一抹の不安を感じたが、妻を責めても仕方が無い。幸い、デミオには折りたたみ式自転車が2台常備してあったので、ディーラーには2人でデミオで行って、折りたたみ自転車で用品屋に帰ってくることにした。手に入れたばかりのレガシィを置いてけぼりにするのは気が引けたが、解決策がこれしかない以上実行するしかないのだ。ディーラーではフリードリンクを2杯飲んで、手続きを済ませて用品屋に向かった。30分程走って用品屋のレガシィと再会。やっと帰宅と相成ったのだが、ここで最後の難関が待ち受けていたのである。当時住んでいた寒アパートの駐車場入れだ。妻の誘導で何とか完了。一抹の不安は残るが、兎に角、新しい愛車に満足である。
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後日談:
 ディーラーからは既にデミオは解体屋に送ったとの連絡があったのでほっとしていたのだが、その後再びディーラーから電話があった。なんと書類上の処理のために車の名義を拙僧に変更するので住民票と印鑑証明を送って欲しいとの事であった。えっ?じゃあ、あのデミオはローンが終わっても拙僧の名義になっていなかったの?
 そう言えば、レガシィの名義変更のときも車庫証明が必要だといわれて、デミオを購入したときにそのような物を書かなかったことを思い出した。世の中、分からないことばかりである。

難点編に続く。


(2008/10/31)

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