KDX200SR(初代目)の話
初めてのオフロード車KDX200SR
管理人は回すと速いKDXでだらだら走るのが好きだ。
KDXのツーリングでも荷物をロクに減らす事ができず、折角の軽量ボディを台無しにする管理人。
右はKDX本来の姿、カワサキが飛ぶぜ黒いハイウェイ(byギターウルフ)。

飛ぶ或いは浮き上がる管理人
恐らく津久井湖周辺の管理人
KDX200SRとは
 KDX200SRは1989年にカワサキより公道走行可能な本格的なエンデューロ・マシンとして発売された。公道走行不可のレーサーKDXと多くのコンポーネントを共有し、また、サービスマニアルにもレーサーパーツを利用したチューニングが公然と記載されている等、群を抜いた戦闘力が多くのオフロードライダーを魅了し、一時期は河川敷や林道はKDXのグリーン一色だったと言われている。実際、KDX200SRをレース走行に使用する場合には簡単に各種の保安部品を外す事が出来、更にクラッチ交換等のレーサであれば日常行われる整備も容易にできる事、更に公道車では一般的で無く、競技用タイヤに選択の幅が多い19インチリアホイールを採用している等、KDX200SRがレーサーKDXに近い存在であるかを物語る逸話には限りが無い。一方、2stオイルタンクが小さく、その補充には二本のボルトを使用する、外装をストリップする際にボルトに使用する工具のサイズがことどとく違う等の、日常的な使い勝手は疎かにされている傾向がある。またガソリンタンクの容量は非常に小さく、実質的には7l程しか入らない。
 中古市場は販売台数の多さから豊富だが本オートバイの性格上酷使された物が多く、中古購入の際には注意が必要である。

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KDX200SR(初代目)のインプレッション
 <良い点>
  ・クラス最軽量で取り回しの良いボディ。
  ・意外と低速で粘る。
  ・廻せば2stらしいハイパワー。
  ・旧世代とは言え、本格ダート走行のポテンシャル。最新モデルの様にカリカリでは無いので初心者に優しいと思う。
  ・安価で稀に上物も見かける。
 <イマイチな点>
  ・ガソリンタンク、オイルタンク共に小さく、4stからの乗り換えの人なら信じられないほど
航続距離が少ない。
  ・素晴らしいサスペンションに引き換え、ライト・ホーン等は割り切ったチープさ。
  ・シール面が弱い為、ラジエター水のミッションへの混入の他、ベアリングなどもさび易い様な・・・。
  ・湿式のフィルター等、ある程度のメンテナンス知識を要する。
  ・遊びでレース参加しようとしても、上級クラスか下手すればエキスパートクラスに組み込まれてしまう。

 管理人の購入したKDX200SRは既にレースやコースによるスポーツ走行にて酷使された物であり、本オートバイ本来のコンディションではない事をお断りする必要がある。
 オンロード・オートバイに乗りなれた目から見ると一見大柄だが、実際に跨るとスリムでコンパクトな印象を受ける。これは、他のオフロード・オートバイが更に大柄である事も影響しているだろう。身長175cmの管理人の場合は若干踵が浮く物の問題なく両足が地面に付く。キックアームは長くストロークも大きい、かなりモーションが大きくなるのでもっぱら管理人はスタンドを立てた状態でエンジンの始動を行った。勿論、コンディションの良いエンジンであれば始動は容易だが、管理人の物はその程度の悪さからしばしば難儀し、更に信号待ち等では絶えずアクセルを煽り気味にしていないとエンストを起こす傾向があり、エンジン始動についてはロクな思いではない(尚、より程度の良い二代目KDXに出会う事で解消)。
 アクセルを捻ればこれぞ2stと思える爽快な加速を楽しむ事が出来る、その際の振動や騒音を非難するのは野暮と言う物であろう。意外と低速での根粘りもあり、へたれの管理人は多くのシチュエーションで救われている。2stオイルは殆どの場合カワサキ純正を使用した。
 一般的にシール類の弱いとされるカワサキ車だが本オートバイも例外では無く、管理人の物は購入早々にフロントフォークのオイル漏れを発見し、更に、KDXの持病とも言えるクランクケースの冷却水漏れを発見した。これはクランクケース内にオフセットされている冷却水を隔てるシールの不良によって冷却水が浸水する物で、クランクケースにオフセットされている窓からオイルを除くと白濁している事から用意に発見できる。一説には対策部品が出ているとの事で金銭を介して修理したが、結局は程なく現象が再現した為に諦め、その後は修理しなかった。ハンドルにマウントされたキルスイッチは壊れやすく、管理人も乗車の際にオフロード・ブーツを引っ掛けて破損、このキルスイッチは通電しているとエンジンが掛からないタイプなので以降はほおって置く。フロント・ホイールに接続するメータケーブルのカバーが無く、すぐに外れて切れてしまうが、これも一度修理した後にそれきりとした(但し、二代目KDXで通常はこのカバーがある事が判明)。バッテリーレスで7Vの電装を採用しているせいかライトは暗く、ホーンの音は極めて小さく、公道車として許される範囲なのか甚だぎもんな程の代物である。
 また、本オートバイのユニークな点であるリア19インチのホイールはモトクロス用のタイヤが選択できる等、コース走行を考えた場合には具合の良い物であるが、一方で公道用タイヤの選択肢は限られ、特に町乗り重視のタイヤは管理人が知る限り皆無である。この事は管理人が多くの時間とエネルギーをオフロード走行に割く事が出来た限りでは対した問題では無かったが、将来を見越した現在の妻と知り合い、多くの時間をオートバイに割くことが出来なくなった時にオートバイとの距離を置く大きな要因となってしまった。
 キャンプツーリングでの積載性は最悪で管理人はキャリアとナンバー・プレート装着ボルト穴を利用したフックを併用していたが充分な物ではなかった。但し、キャリアにはスタックハンドルを有した作りとなっており、そもそも本オートバイのシートフレームにオフセットされているスタックハンドルと併用してしばしば救われている。また、振り分けバック使用時にサイレンサーと干渉しバックを焼いてしまい、対策としてキャリアとシートフレームをマウントに金網をサイレンサーに巻き、バックを保護した。その他、一度高速道路走行中に何か走行に致命的な障害が発生し、ガソリンスタンドで針金を求めたが無く、変わりに貰った電線を店員さんと解いて針金として使用しフィクスした経験があるのだが、その障害が何であったかがどうしても思い出せない。
 以上、欠点を多く述べてしまったがその殆どは本オートバイのオフロードの走行性能を重視した故の結果、或いは管理人の個体の程度の悪さから発生する物であり、一概に欠点とするのは問題があるだろう。オフロード走行に注目すればコンパクトで小気味良い吹けあがりのエンジンを楽しめる良いオートバイで有り、特にサスペンションに置いては多くの同種のオートバイに比べて明らかに良い物がオフセットされている事は特筆する必要がある。
 また、低速でも以外に粘りがあり、本格的なオフロード走行に興味があっても最新本気モデルに躊躇している方には、出物の中古でもあれば価格もこなれていてお勧め出来るのではと思う。かれこれ10年以上も前の単車であり、なかなか良い出物は少ないかもしれない。また、今時は2stマシンだと公道モデルだと上級クラスか、下手にサイレンサーでも交換していたらエキスパートクラスになってしまうので、遊びでレースに参加したい人は注意が必要である。

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KDX200SR(初代目)との出会い
 何故かオフロード・オートバイを所有していない管理人が当時の住居である八王子から立川近郊の多摩方面を中心としたオフロードクラブに所属し、その1年ほど後にクラブメンバーから7万円で購入した物である。その程度の悪さは既述の通りなので割愛するが、本格的な林道ツーリングへの傾倒のきっかけとなり、何よりもインパルスの林道での酷使を防ぐ事が出来た。また、コース走行やレース参加を行い交流関係も増え、オートバイライフを充実する事が出来たのは本オートバイのお陰である。反面、程度の悪さには最後まで悩まされ、イマイチ愛着が薄くなってしまったのも事実である。
 XR−Bajaを購入後も暫くはインパルスと共に併用し、「貧乏なのに単車三台」の生活を送っていたが稼働率の高さが謙虚になり手放す事を決定。KDXと言うオートバイを理解している事と値引き一切不可を条件に3万円で個人売買に出したが、セル無しの町乗りの不便さを理由に値引きをはかる様な勘違い野郎に遭遇し、不愉快になって追い返すと言う嫌な経験もした。
 結局、125ccを始めとした複数のKDXを所有していると言う方が現れ、有効に使用してくれそうなので2万円で譲った。


 
雪中ツーリング in 伊豆
単車に乗りさえすれば全てが解決できると信じていたあの頃、冬でも雪でも単車があればご機嫌さあ。
ちなみにIRCのハード用タイヤを使用、
良い子は絶対に真似しないでね。
管理人も、もうしません。


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