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ゼニット3M
ゼニット3Mについて
 ゼニットシリーズは、同じソビエトで生産されていたライカを模した距離計連動機のコンポーネントを流用して開発されたソビエト製一眼レフです。巻き上げはノブ式、裏ブタは全てが取り外される構造であった初期のモデルに比べ、ゼニット3Mでは巻き上げはレバー式に、裏ブタはヒンジによる開閉へと進化しており、現代のカメラに比べても違和感無く使用することが出来ます。ボディを構成するコンポーネントは、以前管理人が所有していたゾルキー6と酷使しており、初期のゼニットがフェドやゾルキーの初期のモデルを継承していたのと同様、それら距離計連動機が進化するのに合わせゼニット3Mも進化していったと思われます。現在ではソビエト・カメラの歴史や詳細を検証する文献は豊富です。本HPでは歴史や事実を詳細に検証する事は目的では無い故に省略しますが、興味のある方は掘り下げていくと中々深い世界となるでしょう。
 シャッタースピードはB・1/30〜1/500、レンズの最短撮影距離は0.5m。マウントはM39と言う初期のゼニットシリーズ独自のマウントとなっており、ねじのピッチはLマウントと同様ですが、ただ付くと言うだけでピントは合いません。数種類の交換レンズが存在するらしいのですが、標準レンズの他は85mmと135mmを稀に見る位で中古市場では稀ですが、特に貴重価値があるものではありません。

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ゼニット3Mの使用感
 一般的に評価の良くないソビエト・カメラの操作感覚ですが、本カメラも例外ではありません。しかし、確かに精密感の様な物とは程遠い物の、過去に手に取った様々なソビエト・カメラの操作感覚と比較しても巻き上げもヘリコイドの操作もスムーズで、管理人の物は当りの個体なのかもしれません。巻き上げレバーのストロークが非常に大きいのが面食らってしまいますが分割巻き上げが可能な為、ラチェットハンドルを操作する様に細かく巻き上げると、以外に快適な撮影が楽しめます。
 ファインダーを覗くと驚くほど黄色いのですが、これはレンズとマットの両方の影響がある様です。ピント合わせはやり易い方だと言えるでしょう。
 ゼニット3Mと現在の一眼レフ・カメラの操作上の大きな違いは絞りがプリセットだと言う事になるでしょう。自動絞りで無いカメラでは、ピントを合わせる際には絞りを開放にし、撮影の際には適切な値に絞りを絞る必要があります。この作業はかなり面倒であり、それを改良する為に考えられたのがプリセットによる絞り設定です。これは、絞りリングの他にストッパーとなる絞り指標リングを設け、予め設定した絞り値以上に絞りリングが動かない様に制限を行う物で、この機構によりファインダーを覗きながら指一本で絞りを開放から適正値まで変化させる事が出来ます。撮影手順としては、

  @露出を判断し、シャッターと絞り指標リングを設定。
  A絞りを開放にする。
  Bファインダを除いて焦点を合わせる。
  C絞りリングを操作し、絞り込む。
  Dシャッターをレリーズする。

と、言った手順になりますがかなり煩雑ですねえ。自動絞りになれた身では、しばしば絞込みを忘れます。
 多くの場合、ゼニットシリーズにはヘリオス44(58mmF1.2)、若しくはインダスタル22(50mmF3.5)が付属しており、本カメラにはヘリオスが付属していました。インダスタルはコンポーネントをLマウントの物と共用しており、管理人も所有していた事があるのですが、豊かなトーンの良いレンズでありました。比べるとヘリオスはこれと言った特徴も無く、明るくて大きいだけのレンズと言う印象です。もっとも、ソビエト製品には製品誤差が付き物と言われ、単純に本レンズが外れなだけかもしれません。本レンズの中玉にはカビ後があり、撮影にも影響していると思われます。

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ゼニット3Mとの出会い
 バンクーバ滞在中、スポットのアルバイトの収入が入った管理人は、早速中古カメラの購入へとダウンタウンに走ったのでありました。バンクーバには日本で見かけるような中古専門店は無く、印画紙やスタンド等の写真機材を扱ったそれらしい店が殆ど唯一存在した他は、もっぱら怪しげな金時計やスナップ・オンの工具と一緒に並んだ中古屋のそれを眺める事になります。当初はビテッサTaに眼を付けていたのですが、ほぼ完璧と言えるドイツ製品の輝きに比べ、どこか垢抜けないボディに取ってつけた様な不恰好なレンズが憎めなくなってしまい、結局本カメラを購入しました。価格は日本の市場価格の1/3〜1/2と言った所です。北米では日本製の一眼レフは概ねびっくりする程高く(例:ニコマートFTNが3万円弱)、ローライやライカ、ハッセル等を除けば他のカメラはかなり割安です。恐らく、ドイツ製中級機が輝いていた頃に北米の購買力が非常に高く流通量が有り、当時の日本が貧乏でそうでは無かったという事でしょう。
 また、前記の様に本カメラは管理人の手にしたソビエト・カメラの中では非常に操作感覚の良い物です。もしかしたら、一度購入した製品は中々手放さない国民性から、それなりにメンテナンスを行ったとも考えられます。若しくは、それなりに使用可能なカメラで無ければ生き残る事は出来ないのかもしれません。
 現在は3・4本のフィルムを通してありますが、時折妙な光線がフィルムに影響している他は特に問題無いようです。レンズが少々気に入らないのですが、気長にインダスタルの出物を待つ事にします。滅多に目にする事はありませんが、どうせ大した値段では無いでしょうから。

 
同国の距離計連動機のボディを継承した構造を持つ、無骨を絵に描いたような旧ソビエト製一眼レフです。
取ってつけた様なデザインと、不釣合いに大柄なレンズがアクセントになっています。
兎角、どこか不思議な思想と安易な合理性を感じるソビエト・デザインですが、このレバーを収納する肩のデザイン等は管理人は気に入っています。Made in USSRの文字が輝かしい。
本カメラ用のレンズはプリセット絞りで、撮影時には撮影者の手で絞りを操作する必要があります。
レンズの先端から、絞り指標リング、絞りリング、フォーカス・リングが位置しています。
本カメラは輸出向けとして生産されたのか、軍幹部には英字が刻まれています。キリル文字の方が異文化をより一層感じられて楽しいのですが残念です。プリズムを模した台形を貫く矢印のマークはゼニットのトレードマーク。
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