近場の無料キャンプ場で演習を行う
多少素材の安さは感じるが、パッと見は普通のドームテントである。
内装の荒々しさに価格相応を感じる。
意外と広かった前室。
4300円だから何かと不安なバンドックのテントである。実戦の北海道ツーリングの前に演習を行わなければならないな。幸い、近場に無料の市営キャンプ場を見つけたので一晩を過ごすことにした。数本の街頭とトイレ、飲用不可の井戸しかないが十分だ。水を確保するのに6km程、単車を転がさなければだったが、そういう事態も想定した方がイイだろう。何しろ数年ぶりのキャンプツーリングなのだ。
前述の通り、基本的にはオーソドックスなドーム型テントである。ポールが細めのアルミ製なのが少々不安なのだが、よっぽどの強風でない限り大丈夫だろう。ただ、クリアランスは大雑把なので組み立て時に抜けやすいが、張ってしまえば問題ない。まずはドカシーを敷いてインナーを乗せる。あとは4本のペグでひとまず自立する。細いペグは心配だったが、いずれにしろ石を砕くようなペグは持参できない。原則はキャンプ場でテントを張るし、角度を工夫するなりで強度を保つのが吉だ。
特徴的な裁縫の荒々しさだが、フライシートはそれなりにがっしりしている。気になるのはインナーのほうで、やっつけ仕事感がひしひしと伝わってくる。なんと貴重品袋の”使用注意”タグがインナーに縫い込まれていた。あちこちで糸が遊んでいるのだが、「とにかく頑丈ならいいだろう」という割り切った考えは悪くない。なんたって、値段相応だ。ただ、やはりファスナーの硬さが気になる。
フライシートの四隅のフックをインナーのリングに引っかけ、前室と後室を広げてペグを打てば完成である。本来は補助ロープを張るのだが、大した効果はないだろう。余程の悪天候が予想されるときには気休めになるだろうが、そういう時には素直に宿をとったほうがよさそうだ。ちなみにフライシートとインナー下部の露出する部分には十分に防水スプレーを吹いた。テントとジャケットで防水スプレーを1.5本使ったから、それだけで2000円くらいの出費だな。
気になるのはフライシートの四隅を留めるフックが大雑把な樹脂製であることだ。インナーのリングに引っかけるのだが、しっかり感がイマイチなので強風で吹き飛ばされないか心配だ。悪天候では宿をとる予定だが、夜間に急に風が強くなることはありうる。また、個人的にはフライシートの左右にペグを追加して8角形になるようにしてほしかった。実際にペグは2本余るのだ。これは気になる方は自分で改造するべしという事なのだろうか。6角形だとフライシートとインナーがあたるので、雨の日の浸透が心配である。
ありがたかったのが前室が意外と広く、メインバックがギリギリ入ることだ。これなら雨天時にバックの中身を出すにも身体をぬらさず済むし、動物対策にもなる。画像がないがインナーの天上にはランタン用のフックがあり、これに100円ショップのミニランタンを吊るすと(なんとか)本を読めるような明るさになる。これは便利だ。
ちなみにメインバックは実家に転がっていたスキー用を拝借している。もう20年くらい使っているので、あちこちが解れてきた。
あちこち大雑把で荒々しいつくりだが、基本的にはツボを押さえたテントだと思う。
☆ ☆
追記:
およそ3.5週間の北海道ツーリングを終えた。概ね2〜3泊したら1泊はとほ宿かYH、警報の出るような悪天候ではYHで連泊をするペースだった。雨はザーっと降るくらいしか経験しなかったが概ね問題なかった。但し、やはりフライシートとインナーの触れる部分は浸透した。これは、拙僧が面倒くさがってロープを張らなかったからかもしれない。強風も避けたがロープをちゃんと張ればそこそこは大丈夫そうだ。しかし、予め悪天候が予測されていればテント泊は諦めた方がイイだろう。これは特に本テントに限ったことではない。
心配だったファスナーはひとまず大丈夫そうだ。但し、出入り口のメッシュが少しほつれ始めたので、やはり何年も使い続けるものではないだろう。それほどハードに使い込むつもりがないのであれば選択肢としてありうるのではないか。
(了:2015/10/10)