以前、埼玉県桶川市の荒川河川敷にホンダ(HART)のエンデューロコースがあった。拙僧がまだ八王子に在住しており、ちょうど妻と知り合って単車と距離が離れつつあった頃に諸事情で閉鎖となってしまったコースである。小ぶりなコースではあったが、レイアウトがソフトである事と、首都圏から近い事から東京近郊のオフロード者が愛用していたものである。
XR100は拙僧が所有していたのではない。ある東京のショップがXR100をレンタルする初心者向けエンデューロレースを桶川で開催しており、拙僧はちょくちょく仲間達参加をしたのだ。よって、非常に馴染みのある単車であり、非常に楽しい単車であった。ちなみに最近、XR100モタードという単車が発売されたが、ここで述べるXR100は純粋なレーサーである。一昔前に市販されていた、公道車のXLR80のフレームに若干手を加え、CB50系のエンジンを積んで保守的な外装を纏ったのがAPEである。そのAPEにレーサーXR100のエンジンをディチューンした物を搭載したのがAPE100である。さらに、APE100にレーサーXRライクの外装を載せたのがXR100モタードである。なんだか非常にややこしいのだが、本ページで述べるXR100はXR100モタードとは全くの別物である事を理解して頂きたい。
とにもかくにも、XR100は非常に楽しい単車であった。背が低いから足はべたべた付いて、エンジンも低速で粘るから、結構なセクションでも何とかクリアできる。足がつくということは安心感もあるのでタイヤがスキッドしても不安が少なく、思い切って走る事が出来た。4stでも排気量が小さいから、2stみたいに雑にキックしてもエンジンはかかりやすいし、車重も軽いからリカバリーも簡単。ただ、サスペンションがすぐ底付きするので、調子に乗りすぎてジャンプをするとかなり怖い思いが出来たけど、不思議と大怪我をする事はなかった。何しろ丈夫で、コンペティションを前提とした手抜かりのない作り。本物の大人の玩具って言う感じかなあ。
拙僧がコンペティションな目的で単車を買うのであれば、迷うことなくXR100なんだけど、レーサーを飼う程の力量がないのが残念である。同じエンジンを積んだAPE100には相当興味を持ったんだけど、セカンドバイクをもてる身分でもなく見送り。でも、XR100モタードを実際に目の当たりにすると、心がゆれるんだよねえ。兎も角、XR100のエンジンはとても良いエンジンだから。
(了 2005/2/19)
ホンダ XR100
在りし日の我が身。レースでもジェットヘル。