紀勢ツーリング2006 準備編


CRM250R

フィリーにて固定される愛車

CRM250R
 アパート前にて撮影。
 拙僧はどうしても荷物が多めになってしまうのだ。


 約1年半の休職で薬で治る体の症状は落ち着いたので復職を果たした。が、たったの1ヶ月で体が仕事についていけなくなってしまう。まあ、この頁はうつこの部屋ではないので詳細は割愛するとして、兎に角、元の職場には体力的にも精神的にも戻れなくなってしまったのだ。ので、思い切って会社も辞めてしまった。いろいろとご意見もあるとは思うのだけれども、頑張れなくなってしまったのだ。
 それで当面は30男のフリーターとして出来る程度の仕事を探そうと思っていたのだけど、救ってくださる方はいらっしゃるもので拙僧の病状を承知で出来る程度の仕事で構わないからとお誘いを受けたのだ。実際、どの程度の仕事が出来るのか自分でもわからない状態ではあったものの、どういう訳かこちらの事情を寛容に受けともていただける様なので、ありがたく再就職の道が決まったのである。やっぱり、真面目にこつこつと人生をやっていると神様が見ていてくれているのだろう(そうか?)。
 とはいえ、体力的にも精神的にも休養と増強が必要と思われたので2ヶ月間ほど時間を空ける事にした。特に体力の低下は深刻で、ちょっと30代男性に求められる仕事がまっとうできない程の衰えぶりだったのである。かといってあんまり真面目に取り組むのもよろしくない。何か楽しい事で体力面も精神面も精進したいものである。そうと思いつくのはキャンプツーリングだ。これは持久力が必要とされるし反射神経も鍛えられる。効率の良いルートを考える必要もあるからお脳にも良いはずだ。何よりも、人様が働いている平日に単車をかっ飛ばす事ほど気持ちの良いものはない。手元には2stのパンチ力が魅力のCRM250Rが有る。キャンプツーリング、これに決まりである。
                  ☆              ☆
 とは言え、多少の不安は有った。妻と知り合う前までは、それこそ長期休暇となれば冬季以外はキャンプツーリングに明け暮れたものだった。実際、拙僧は北海道と山口県と沖縄県以外は単車で行った事がある。しかし、あの燃えるような情熱から遠ざかって既に4年が経ってしまった。大抵のキャンプ用品はとっておいたのだけれど、どういう訳かテントだけは実家のどこにも見当たらなくて煙のように消えてしまったのだ。新たに購入することは無職の身には辛い。それで思い立って高校からの友人で単車仲間のY氏に連絡をとった。Y氏はご令嬢を賜ってからトライヤル方面に転向した為、テントも余ってるだろうと期待したのだ。幸い、Y氏は快く貸してくれるという。ありがたい話である。テントは速やかに拙僧の下に届いた。モンベルのムーンライトVである。ディスカウントものしか買わない拙僧に比べてY氏はいい物を買うなあ。早速、アパートの駐車場で組み立てる。拙僧はドーム型テントしか所有した事が無いので、吊り下げ式のこのテントの設置は多少考えさせられたが、流石有名メーカー製だけあってスムーズに組み立てられた。室内は縦に広く成人男性1人が過ごすには快適である。拙僧の記憶ではムーンライトVは長方形の短辺の片方が入り口で片方は上部の3分の1位だけが通気口として開くようになっていて、両方が入り口になっていれば通気性も良くなるし便利なのにと思っていたのだけれど、Y氏から借りた本テントはちゃんと両方が入り口になっていて、改善されていたのには感心した。快適なテント生活で最も重要なのは「換気」であり、本テントはその点では満点だ。拙僧が持っていたディスカウント物など夏場はサウナだった。一方、本テントの欠点は前室が無い事で、これだど雨の日はブーツを濡らしてしまうか別にカバーをかける必要がある。背骨にあたるポールからフライシートが地面まで延長できれば解決できると思うのだが残念である(そういうオプションがあるらしい)。
 テントの問題は解決できた。キャンドルの類は100円ショップで買った電池式のものが充分に実用になるから心配無い。実に便利な世の中になった物だ。ストーブはコールマンのガソリンストーブとキャンガスのガスストーブを持っているが、今回は大した日数でも無いし大した調理をするつもりも無いのでガスストーブで沢山だろう。後はスリーピングバックと毛布代わりの東ドイツ軍用ポンチョを天日干しして食料と雑貨を積めたら準備万端である。おっと、念のためにユースホテルの会員にもなっておいた。キャンプが続いたり雨でも降ると蒲団が恋しくなるのだ。
                  ☆              ☆
 そうそう、肝心なことを忘れていた。どこへ行くかである。拙僧宅は愛知県東方の岡崎市だ。折角、東京を離れたのに交通量の多い関東方面へ行くのは冴えたアイデアとはいえない。当初は未踏破の能登半島先端を考えたが、リハビリ目的の旅行にしては距離的に遠すぎる。体力的も自信が無いが、CRMという単車は人にそれ程優しい単車ではないのだ。日数は4泊5日以内にしたい。そこで方向を南紀に向けた。拙僧宅からだと渥美半島からフェリーで鳥羽に向うことになるが、船を使うというのは旅情が有って良いものである。地図を舐めると川湯温泉というのが有名らしい。よし、最終目的地はそこにしよう。後は天候と調整して日程を決めるだけである。本年の5月は梅雨に入る前から天候不順が続いたのだが、天気予報によれば丁度良い具合に5/29から6/2の一週間弱は天候に恵まれるようだった。これを逃せば梅雨に入ってしまう。体調を整え、決戦の時に備えた。

    では、紀勢ツーリング2006 1日目編を読んで頂きたい。

(了:2006/6/5)

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