秩父帰郷ツーリング2006 5日目編(10/29)


CRM250R

秋のビーナスライン

 事の発端はこんな所だ。前日の夕食時にカワサキのZX12Rに乗っている若い奴が「オンロードバイクには乗らないんですか?」と聞いてきたのだな。お酒も入っていたし、どういう経緯でそうなったのかは正確には覚えていないのだけれども、リッタークラスの単車はコスト高だし、どうせ乗るなら600cc位のミドルクラスがいいね、っという主旨の話をしたのだ。そうしたら、その若い奴に「カワサキに乗る資格は無いね」っと言われちまったよ。ほう〜、面白い!!21世紀のカワサキ乗りの走りとやらを見せてもらおうじゃないか。
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 今回のメンバーで「走る」のはリーダーのGSF1200と例のZX12R、そしてオフはCR125でレースをやっているというTDM850らしい。昨日はTDMの後ろを走ったのだけど今日はZX12Rの後ろに付かせてもらった。いいもん見せてくれるのだろうから楽しみだねえ。ペンションの前の道からビーナスラインへ繋がる山道で早くも失望させられちゃって、コーナーの外側から奴さんの横に張り付いたりして嫌がらせをして、拙僧も嫌な野郎だねえ。やがてがら空きのビーナスラインに出た。さあ、ショータイムの始まりだあ。
 ビーナスラインの下りをリーダーのGSFが一気に加速する。流石にギアチェンジとコーナーの直前以外はフルスロットじゃないと付いていけないな。短い直線区間で一気に離されるのだけれども、コーナーで追いつく。なんだいなんだい、ZX12Rの野郎ときたら単車なんざぜんぜん寝ちゃあいねえじゃねえか。大体、こんな路面コンディションもいいビーナスラインでCRMに追いつかれるなんてカワサキ乗りを語るなんざお笑いだね。こっちはフロントタイヤが終わっているからコーナーの立ち上がりのスロットル操作だってえらく神経を使うのだ。
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 自分の行動に嫌悪感を抱いたのは最初の休憩ポイントだった。確かにあのZX12Rの走りはなんて事はなかった。けれども、あんなに単車が寝ていないのに、取り合えずあれだけのスピードが出せる訳だ。自分の走りが単車をコントロールしている範囲を超えているとは思わないけれども、あのペースで走る為にはブレーキングもライン取りもリーニングも全力に近いパワーが必要となる。若い奴の言葉一つで踊ってしまう自分。そして、あまりにも簡単に有頂天になっていないか?様々なシチュエーションで次々と4つ輪を抜いていった自分も同じだ。その時、自分はどんな顔をしていたか。視界から消すことに快感を感じたのはレクサスやBMWといったエグゼクディブクラスの4つ輪だった。そして目の前にいるカワサキ乗りを語る若い奴。いったい自分はどの位置にいるのだろう。一つ、確実にいえるのは今の拙僧がリッタークラスのオンロードバイクに乗ったら、確実に昇天するだろうと言う事だな。
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 「リーダーさんが、あと1割実力を出したら付いていけませんね。」
 笑いながらもそう話したのは本音だ。リーダーさんに言わせると峠は既に卒業して、高速道路をふわわkm/hで走る方が楽しいそうだ。ビーナスラインの休憩以降、拙僧は最後尾に付いた。リーダーさんのGSFのこじるような倒しこみやTDM君のスマートなリーンに感心するも、ZX12R君のハンドルだけで曲がる様な走りはつまらないなあ。いや、実は拙僧も解っていて、最近の単車は良く出来ているから何も考えず楽ちんに曲がるのである。以前、試乗会でカワサキの600cc空冷4発に乗る機会があって、カワサキの空冷だからガラガラいったりボンボコいったりするものだと思って楽しみにしていたのだけれども、すごくフレンドリーでイージーな単車なのでがっかりしてしまった事があったのだ。「不完全なオートバイを人間さんの技量で走らせる」なんていう発想そのものが既にアンティークな訳だ。忍びないねえ。CRMを必死こいて倒しこんでいる拙僧なんて馬鹿丸出しだな。
 その後、合流したメンバーと食事をした時に、自分が既に時代に追い越されたと確信させられた。内容は「古いオートバイにはどんなオイルがいい?」みたいなベタな話題だったのだけれども、その「古いオートバイ」というのがGPZ1100なのだ。なんてこったい、GPZ1100が「古いオートバイ」なら、CRM250Rなんて数年もすればクラシックオートバイだ。2stのオイル一つ手に入れるのにも苦労する時代がすぐそこなのかもねえ。
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 その後、飯田まで下道でマスで南下しましたが、飯田ICで高速に上がる三河仲間と別れて、拙僧は下道で帰りました。リッターバイクの方々なら兎も角、CRMなら高速に乗る旨みはありませんから。飯田ICで別れた時に丁度日が山に沈みました。予想より、遅くまで走ることになったのでCRMに乗り始めて初めてのナイトランになりました。この界隈の山道は国道でも街頭もなく、7Vのライトでは心細い走りとなりましたが、結構なペースで走ったので「さんまのからくり替え歌」には間に合ってしまいました。
 毎度の事ながら拙僧の稚拙な文章にお付き合いいただき、感謝です。思い返すと「自分の立ち位置」というのが今回のツーリングのテーマになった気がするのですが、その答えはまだ出ていません。

PS.  その後、フロントタイヤは速やかに注文しました。ピレリMT21です。


 秩父帰郷ツーリング2006 おまけ編も見て頂きたい。
(了:2006/11/17)

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