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ロモ ルビテル166Bについて


LUBITEL166B
名古屋栄にてジャンク品を5000円で購入。
美品を安価に手に入れたと思ったのだけれども、後にディスカウントの理由を知ることに。

☆ジャンク度☆
巻き戻しノブ欠落
ストラップ受け片側破損
ホットシュー接点部欠落
ビューレンズ傷あり
とりあえず撮影可能




LUBITEL166B LUBITEL166B
 かつて栄光あるソビエト製。
 言われるより精密感が感じられるボディ。少なくても近年の海鴎よりは。
 外装は比較的綺麗なのボディだったが、当方の落下事故によりビューレンズにヒビが・・・。
 まあ、撮影レンズやフォーカシングマットに影響が無かっただけでもラッキーだろうな。

LUBITEL166B LUBITEL166B
 ビューレンズを上から覗くと1.4、2、2.8と我々にも馴染みのある倍数系列の数字が確認できるけど、これは撮影距離をメートルで現している。
本家のブリリアントではどうだったのだろうか?
 フォーカシングフードにはキリル文字で「LOMO」を意味する表記が。

LUBITEL166B LUBITEL166B
 フォーカシングフードを立てたところ。
 頼りないルーペ付き。

LUBITEL166B LUBITEL166B
 フィルム室はこの一点でカシメてある。
 凄く頼りないけど、光線漏れとかはなかった。

LUBITEL166B
 赤窓式巻上げ。赤窓にはシャッターノブ付き。

LUBITEL166B LUBITEL166B
 ホットシュー搭載。が、良く見たら拙僧の個体は接点部に欠落が・・・。
 反対側の側面にはフィルムを覚えるためのメモディスクを搭載。

LUBITEL166B
 栄光あるUSSR製。
 本カメラは輸出向けのようでメーカー名のЛOMO(LOMO)以外の表記は全て英語。
 T−22という戦車みたいな形式番号を持つレンズは、当たると凄くよいらしい。


 ありとあらゆる形式のカメラをコピーしたソビエト連邦だけれども、不思議と2眼レフは本カメラとコムソモーレッツ位しか知られていない。コムソモーレッツとは「オー!モーレツ」のようなファニーな語感があるけど、実際には「青年共産主義同盟」という物騒な意味を持つ。残念ながらコムソモーレッツを実際に目の当たりにした事は無いが、まあ、恐らく本カメラと対して変わらないと思うな。
 ルビテル(ЛЮБЙTEЛЬ)の意味は愛好家とかアマチアである。アマチアと聞くと廉価版だと思ってしまいがちだけど、そもそも、アマチアこそ基本性能に優れたカメラを使うべきだ。固定焦点、固定露出の廉価カメラなどは事情通がそれなりの知恵を使って良質な画像を得られるものである。命名の妥当性は兎も角、本カメラはフォーカシングを確認でき、シャッターも絞りも選べる撮影に必要な全てのプロパティを設定できるのだからアマチア向けだったとしても、当時のソビエトの平均的な労働者の所得と比べてれば、決して廉価モデルではないと思われる。ルビテルにはフォーカシングを確認できるものと、ファインダーがコンデンサーレンズのみで構成されている目測のものが存在するが、これは元になったフォクトレンダーのブリリアントがそうであったのを、そのまま踏襲しているようだ。カメラ雑誌などでおもちゃカメラ寸前扱いで紹介されることも多いが、ベークライト製のボディは面取りも均一で機構もしっかりしている。どうもルビテル166Bといわれる機種だけで複数存在するようで、例えば拙僧の固体には無いが他のものだとレンズフィルターとそれを内蔵するポケットが有るらしい。もっとも、共産圏ものの常として、高年式の方が機械的な出来がイマイチというのもあるようだから、少なくても「USSR」の文字が表記されて本カメラは出来がいいものだと思われる。中国の海鴎二眼レフだって、妻の父親が愛用していた文革以前のものと、この10年ほど前に北京の骨董品市場で拾ってた高年式のものを比べると、明らかに文革ものの方が出来がいい。
               ☆                 ☆
 さて、そろそろ撮影してみよう。フィルムは120判なので入手は容易である。装填はボディ下部にフィルムを装填し、赤窓映るフィルムの裏紙の表記に気をつけながら、巻き上げノブでボディ上部に巻き上げる。2眼レフは構造上、裏蓋のヒンジがボディ上部かボディ下部にあるが、本カメラはボディ下部に存在する。これもブリリアントを踏襲しているが、裏蓋をロックするフックはブリリアントが左右2箇所に有ったのに対し、本カメラでは中央部の1箇所に省略されている。フィルム装填時には心配な気分になるが、特に露光漏れもせず大丈夫みたい。拙僧などは不本意にも落下試験を行ってしまったけど、蓋が外れたりはしなかった。もっとも、ビューレンズにハッキリと分かる傷がついてしまったので悲しいけれども、撮影レンズやシャッターに問題が無かっただけ良いほうだろう。尚、この辺りのパッケージングはルビテルにしろブリリアントにしろサブタイプの多いカメラなので細かな構造は異なるのかもしれない。
 巻き上げは赤窓式で赤窓にはシャッター付き。拙僧のブリリアントはここの光線漏れ対策に前オーナーのガムテープの痕がある。フォーカシングは撮影レンズの鏡筒を回転されるとピニオンリングで撮影レンズも同調するリコーフレックス等に見られるタイプ。勿論、登場はフォーカシング=ブリリアントの方が先である。ファインダーはコンデンサーレンズの真ん中だけが丸くマット面になっており、フォーカシングの確認はそこで行う。かなりちゃちなルーペが付属していて、お世辞にも快適だとは言えないけれども、フォーカシングが確認できるのと目測なのでは、天と地程も使い勝手に違いがあるから、有るだけで福音である。奇妙なのが撮影距離の指標で最短が1.4メートルなのだけれども(実際にはもう少しレンズは回って近接撮影できる)、その後に2、2.8、4、5.6、8と、絞りと同じステップが刻まれているのだ。これには何か政治的な配慮がなされたのか設計者の遊びなのかは分からない。フォーカシング=ブリリアントをお持ちの方は、元祖がどうなっているのか教えていただきたい。拙僧の固体は鏡筒のガタツキもアタリもなく、光学機器として充分な精度で操作できる。
 シャッターはセルフコッキングにはなっておらず、シャッターチャージとレリーズボタンは同期していないから2重露光には注意が必要だ。まあ、こういう緊張感のある撮影は、この世代のセミクラシックカメラの楽しさの一つであると思う。絞りは開放値4.5から倍数系列で22まで、シャッターはこれまたバルブ付きの1/15から始まり1/250が最高。古いカメラだと1/30の次が1/50、1/100、1/200になっている場合が多いから、意外と近代的なカメラなのかも。通常の撮影で困る事は無い。
 拙僧の固体は、これは撮影が終わってから気づいたのだけれども巻き上げノブのノブヘッド部が片方無かった。受け側の軸は残っていたので、もしかしたら装填時には有ったものの落下試験時に紛失したのかもしれない。何が困るかと言うと、フィルムを取り出す際に軸受けを引っ張りあげる事ができないのでフィルムの取り出しが非常に困難である。実際、キタムラの店長と難儀してやっと取出した。次回からはフィルムの装填後にノブヘッド部を一旦外して、フィルム巻取り側に写して撮影する必要があるだろう。そのほか、樹脂性ムクのストラップ受けが片方破損していて、ホットシューの中央部に存在する筈の金属製端子が欠落している。何れも撮影に致命的な欠陥とはならないが、現在生き残っているストラップ受けもその内壊れそうで心配である。それ程、安普請なボディではないのだけれども、やっぱり樹脂は樹脂なので経年劣化も含めて心配である。大体、ストラップ受け位金属にして欲しかったな。
               ☆                 ☆
 総括すると使い勝手の良いカメラではないが、一先ず撮影に必要な機能は備えているので本格的な撮影も可能である。ロシアのじゃじゃ馬娘をてなづけるような心意気で撮影して欲しい。同じクラシックカメラなら二眼レフの本カメラより、蛇腹カメラの方がスポーティな撮影が可能であろう。二眼レフらしくじっくりと被写体とコミュニケーションをとって欲しい。
 全自動カメラや高級カメラに食傷気味の方にはお進めしたいが、個体差がかなり激しいので実際に手にとってからの購入をお薦めしたい。現に、拙僧も店頭に2台有った内の良さそうな方を選んだ。


 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2007/07/28)

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