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ベラ(Werra)
ベラについて
 ベラ・シリーズは東ドイツ製のコンパクトカメラです。同じ共産主義政権下のソビエト製カメラが、西側製品のコピー、若しくはひたすら生産合理化と言う安易な簡略化と言ったソビエト的な進化(?)を続けていたのに比べ、社会主義の優等生たる東ドイツでは本カメラやペンタコン等、独自のかつ技術的な背景を持った進化を遂げていたのは国民性と言えるかもしれません。上面にはシャッター・ボタンのみが位置された極めてシンプルな軍艦部、独特の鏡筒を捻る事で実現した巻き上げとシャッター・チャージが本カメラの魅力となっています。
 その後のベラでは露出計や距離計を搭載し、後期のモデルではレンズ交換が可能となっています。しかし、それ故にシンプルな軍艦部には其々の窓や突起物がマウントされ、ボディ・デザインも角を丸めた様な物に変化していきました。
 はっきり言って初期型が一番カッコいいと思います。

                    ☆                 ☆
ベラの使用感
 西側製(笑)のビテッサ等と精密感を比べるのは野暮ではありましょうが、共産政権下の限られた生産管理技術の中で出来る限りの精度を保てる様に設計された印象を受けるカメラです。有り物で適当にでっちあげたソビエト・カメラとは一線を置く真面目な姿勢が感じられます。フィルム装填はローライ35やフェド2等の様に裏ブタをすっかり外して行う方式ですが、不思議とパトローネは一般的なカメラとは逆の右側に装填されます。これは鏡筒を廻してフィルム巻き上げを行う独特の構造上の都合かもしれません。巻き上げ側のスプールにフィルムを指す際には、フィルム先端を巻き込むようにスプール芯を回転させながら装填するのがコツです。個体差かもしれませんが、管理人のベラは注意しないとフィルムを挟み切ってしまいます。
 撮影操作は距離計も露出計も無いカメラですからシンプルです。50mmの目測と言うのはなかなか難しく、始めに撮影したカラー・ネガ2本分のプリントの仕上がりはどこかぼやけています。カラーの滲み具合が中々美しく、特に黄昏時の紫がかった空の色など一寸良い物なのですが、巷で言われる「シャープなテッサー。」のイメージには程遠く、「ちっ、外れを掴んだか・・。」と苦々しく思ったのですが、ためしにモノクロを詰めてみると待ったりしたトーンの具合が良いんですなあ。決してシャープでは無いのですが、古いジャガーやらシトロエンだのの滑らかなボディがしっとり表現され良い気分であります。
 撮影は快適そのもの、ところがフィルムを巻き戻そうとするとノブが平たく、引っかかりが非常に小さいのでこれでフィルムを巻き戻し続けるのは中々苦痛です。ドイツ人の大きな手で不便は無いのだろうかと疑問が浮かびます。ボディのほかの部分には傷・汚れ一つ無い本カメラも唯一巻き上げノブ周辺に汗の汚れが目立ち、前オーナーの苦労が想像できますねえ。
 蓋を兼ねたフードをねじ込む作業は意外と面倒で、また、無くし易そうな底蓋にも神経を使うのですが、なんと言っても独特のデザインとクロームのボディが纏った緑の帯がチャームポイントとなり、眺めて連れ添って楽しいカメラです。

                    ☆                 ☆
ベラとの出会い
 カナダ滞在中、パブリック・スクールにて「BC州最大のカメラ・スワップミート開催」の掲示を発見、指折り数えて開催日を待ちました。その詳細は長くなるので省略するも、それはまさに中古カメラのエルドラド。二度と太平洋を跨がないと決めている管理人ですが、もし、カメラ・スワップミートと重なるのであれば再考の余地が有るかもしれません。
 それで、小学校の体育館半分程のスペースを半日かけて5周はしたのですが、最終的な候補となったのがベラでした。前々から、そのシンプルなデザインとユニークな巻き上げに関心深かったのですが、その値段が安かった事と初めて見た皮製ケースに収まれた姿が中々様になっていた事から購入を決意。値段は日本円で約1万円程でした。

 目測と言うハードルの高さから稼働率はイマイチ低いのですが、何れ一人旅の友にしたいですねえ。

 
シンプルなボディとオリーブドライブの帯が、古き良き社会主義の優等生であった東ドイツを髣髴します。
茶色のケースは中田商店で散々眺めた、あれらの物と同質であります。
ファインダーも極めてシンプル。画角の検討をつける以外の機能は何も付いていませんが、明るくくっきりとしたファインダーです。
ソビエト・カメラと比べると安心感のある作りこみですが、全体的に部品精度に余裕を持たせる為に工夫した設計となっているようです。
国産コンパクト・カメラと比べてみます。実際には厚みがあるので、然程コンパクト感はありません。
お椀の様なキャップを外すとツアイス・テッサーが顔を出します。
ツアイス・イエナのテッサーでございます。50mmの目測と言うのもどうも・・・。
キャップはそのままフードになります。他の共産圏のカメラでは考えられない独創性です。
ベラ(Werra)の作例

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