オリンパス・ペンEE3
オリンパス・ペンEE3について
 オリンパス・ペンEE3は1973年から10年以上も継続して発売されたハーフサイズ・コンパクトカメラです。ペンシリーズは1960年代初頭より発売され、何れも廉価で質の良いカメラと評判が高く、末裔たるEE3もその評価に外れません。
 レンズは28mmテッサータイプ、焦点は4mmで固定しているパンフォーカスタイプで理屈は「写るんです」と同じです。しかし、不思議と非常にシャープで豊かなトーンのネガを作成する事が出来ます。露出はプログラムのみですがフラッシュ撮影の為に絞りをマニアルで設定できる為、シャッタースピードが固定される事を認識していれば、実質的にはマニアル撮影が出来ます。その際のシャッタースピードは1/30と言う説と1/60と言う説があるのですが、管理人は1/30と言う認識で撮影をしており、主にモノクロネガを使用している事もあって問題を感じた事はありません。小さなボディながらホットシューとX接点を持ち、フォーカスを除いて撮影で必要な一通りの操作が可能である事は立派です。
 ハーフサイズ(ハーフ判)カメラと言うのは、一般に使用する35mmフィルムの一コマの半分を撮影サイズとし、通常の倍の撮影枚数を可能とした物です。この様なカメラはアメリカ製のマーキュリーの様な例もありますが、高度経済成長期の日本の他、ソ連や東欧と言った経済事情に厳しいお国で一繁栄したようです。撮影サイズが小さいと標準レンズの焦点距離が小さくなり、相対的に被写界深度が深くなって距離計等を省略してもピントを外す事が少なくなり、焦点を合わせるボディの複雑な機構を省略する事が出来ます。ペンEE3では焦点の調節そのものが省略されていますね。また、レンズ持つ小さく作る事が出来る為、一層生産コストを下げる事が可能です。
 管理人の怪しい記憶では、管理人が小学校低学年の頃(20数年前)にあるケースレスのモダンなカメラが発表され、遠足の時に同級生が手にしていると「なんてカッコ良いカメラだろう。」と羨ましかった記憶があります。考えてみると、あれはオリンパスXAでしたね。その時の管理人の手にはC35ピッカリコニカがありましたから、既にハーフサイズのカメラはメジャーでは無かった様に思います。その後、高校生時代にサムライを愛用している友人がいましたが、撮影枚数は倍に増えても1枚あたりのプリント料金がフルサイズの料金に比べて倍になってしまい、価格的なメリットは失っていましたねえ。
 ハーフサイズのカメラはフィルムや同時プリントが高価だった時代に爆発的にトレンドとなり、やがて日本が豊かになるにつれ廃れて言ったとされています。迂闊に36枚フィルムでも詰めるとフィルム無間地獄となり、正月と夏のビーチが一つのフィルムに納められてしまう事になりますが、当時の24枚フィルムと36枚フィルムの価格の差は今とは比べ物にならない程大きかったのでしょう。当時のフィルムではハーフサイズとフルサイズのプリントの差は大きく、やがて廃れて行った原因の一つともなったようですが、フィルム性能の向上とコンパクトでクラシックなカメラのルックスが再評価され、ちょっとしたブームとなった様です。今はどうか知りませんが、以前はジャンボに出すとフルサイズと同じ料金でプリントを行ってくれました。プリントのはそれなりだったのですが兎に角同時プリントは可能だし、その気になればフィルムスキャンも可能ですから、今後も面白い使い方が出来るのではないでしょうか?
 尚、ペンEEシリーズについてはshinさんと言う方がご自身のHPに非常に詳しく詳細な記事を執筆なさっているのでそちらを御参考下さい。
 
シャープに写るレンズですが硬めに焼くと更に印象深いようです。
SAで見たかっこいい単車
夏の八王子
豊かなトーンを楽しむ事が出来る素晴らしいレンズです。
冬の八王子
この様に2コマのネガを一枚に焼くには撮影時の露出に注意が必要です、特に右の写真の様に屋内と屋外のコマが並ぶ場合など、オートでは既にアンダーにてシャッターを切る事が出来ないのですが、ペンEEはマニアル露出が可能なので可能性が広がります。
香港
海南島
最強スナップ・カメラとして国内・海外で幅広く使用しています。
エンデューロにて
ちなみに、ラッキーパンは中国製モノクロフィルムです。

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