ニコンEM
ニコンEMについて 
 管理人が最も気に入っており、かつ稼働率が高いのがニコンEMです。理由は小粒でカッコいいからです。管理人は車で言えばNSXよりビート、ドカティで言えば1000SSより800SSの方が琴線にふれます。対象物があると、コンパクトな方が引き締まって頭が良さそうに見えるんですよねえ。F3辺りを手にしても「重いし、買っても持ち出さないだろうなあ。」と思うだけなのですが、EMなら予備に2・3台追加したいと言う欲求が頭を持ち上げてしまいます。土砂降りのエンデューロやマイナス30度の黒龍江省、シーカヤックの船上と場所を選ばず連れ回っているのですが、今のところ障害皆無です。
 ニコンEMは電子式シャッターによる絞り優先AE専用の一眼レフカメラで、バルブと1/90を除き任意のシャッタースピードを設定する事は出来ません。この二つは機械式のシャッターとして残され、電池が無い状態でも使用可能です。1/90は非常時の他、スピードライトによる撮影の際に使用します。又、カメラを構えて左上には小さなボタンがあり、これを押すと1.5段のプラス補正を行います。どうやら逆光撮影時に使用する物の様です。特筆すべきユニークな点は分割巻上げが可能な事で、ニコンEMのような縦走り金属羽シャッターのカメラでは珍しい存在です。分割巻き上げと言うのは、その存在を知らなければ何とも無いのですが一度撮影リズムに慣れてしまうと、途端にそうでないカメラを野暮に感じてしまう物であります。
 歴史的にはニコン史上初めて外装に樹脂を使用した一眼レフカメラとされています。そもそもは北米を中心に女性をターゲットにしたらしいのですが、最終的にはF3を使用するプロやハードユーザーの懐刀の様な位置付けとなり、結果的にはそのイメージがプラスとなってかなりのヒットになったようです。最も、ニコンとしてはお金の掛かったカメラであり、販売台数の割りに儲からなかったとの話も聞かれます。ニコンが女性をターゲットとした一眼レフでクリーンヒットを放つのは、後のプロネアSまで持ち越しとなったようです。

  

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